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2024/4/18 発表申込締切は5月10日(金)です。

公開シンポジウム

「宗教研究のインサイダーとアウトサイダ――信仰者の自己理解と宗教の学術研究をめぐって」

開催日:2024年9月13日(金)
会場:天理大学 杣之内キャンパス
(詳細は、7月上旬にお知らせします)

 宗教研究において、当事者すなわち信仰者の自己理解や自己表象を積極的に取り込むべきだという主張は、長年存在してきました。研究者と信仰者の関係を「自」と「他」(他者)の関係に置き換え、自他の共通部分を強調し、他者としての信仰者による自己表象の価値を認め、信仰者の自己理解を研究者が行なう宗教の批判的考察に含めるべきとの意見があります。信仰者の承認を得ることは、研究者にとっての正しいモラルであるとさえ主張されます。

 その一方で、信仰者の自己理解や研究に対する彼らの承認は、学術研究には関係がないとの立場も保持されてきました。それは学問の自由に加え、宗教の公共性、歴史性、社会性などを論拠にしています。研究者は信仰者自身にとっての個人的な宗教の意味は尊重するが、それを擁護する必要はなく、研究対象の宗教について当事者と異なる解釈をするのは研究者の自由である、との主張がなされています。この場合、信仰者の自己表象や自己理解それ自体が研究の対象となり、他の研究資料と同様に歴史化、理論化されていきます。

 本シンポジウムでは、宗教研究における信仰者(insider)と研究者(outsider)の関係をとりあげ、3名の研究者の報告と1名のディスカッサントの議論をもとに展望します。そのなかでは、「信仰をもつ研究者」(scholar as religious believer)についても検討したいと思います。