日本宗教学会メールマガジン[第28号]2017年10月17日

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日本宗教学会メールマガジン[第28]
─━─━─━─━──━─━━─━─━2017年10月17日(火)・△・─━─━─━─━

秋涼の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。

では会長退任挨拶、日本宗教学会第76回学術大会の報告とお礼、日本学術会議公開シンポジウムのお知らせなどを掲載しております

―●○ INDEX ○●―――――――

【1】会長退任挨拶

【2】会長就任挨拶

【3】日本宗教学会第76回学術大会の報告とお礼

【4】学会賞

【5】国際委員会からのお知らせ

【6】日本宗教研究諸学会連合共催、日本学術会議哲学委員会主催公開シンポジウム

【7】日本学術会議:提言「東日本大震災に関する学術調査・研究活動」の公表

【8】著作・報告書紹介

【9】研究会情報

【10】メールマガジン掲載案内

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【1】会長退任挨拶
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この9月の学術大会で三年の任期を終え、山中新会長に何とか無事に引き継ぐことができました。この間、諸委員会の皆様、大会開催校の皆様を始め、たくさんの方々のお世話になりました。心より御礼申しあげます。
近年の大学改革の中で人文学の置かれた状況は極めて厳しいものであり、宗教学も例外ではありません。学会がその変化に対応するためには、学術大会を簡素化して地方の大学でも開催可能になるようにすること、若手や女性の研究者の活躍の場を増やすことが、今後も促進される必要があります。宗教学が大学改革において厳しい状況にあるということは、しかし、宗教学が現代世界においてその存在意義を失っていることを意味するわけではありません。概念がどのように揺れ動くとしても、宗教学が問おうとしてきた事象がいっそう解明を必要としていることは確かだと思われます。そうである限り、私たちは日本宗教学会の活動を大切に繋いでいかなければなりません。今後の学会のさらなる発展を願っております。

氣多雅子

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【2】会長就任挨拶
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今般の宗教学会会長選挙において、氣多雅子前会長の後を受けて、はからずも会長職に選出されました。定年後の晴耕雨読の日々を夢想していた身には、正直荷が重すぎるというのが実感です。ただ、私のようなものが会長に選ばれたのは、団塊の世代の引退という世代交代のまっただ中で、本学会がかかえている様々な課題の解決に向けて全力を尽くせという会員の方々の期待によるものではないかと改めて受け止めなおしております。特に、参加者だけでも600名以上を超える規模となった学術大会の運営の軽量化、効率化は、宗教学会の存立そのものに関わる喫緊の課題であると感じております。また、多様な人間のあり方、生き方を最大限に尊重し、その多様性が生かせる学会の環境をどのように構築していくのかなど、課題山積というのが現状です。これら学会が直面している種々の課題の解決に向けて微力ながら尽力していく所存ですので、どうかご指導、ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

山中 弘

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【3】日本宗教学会第76回学術大会の報告とお礼
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日本宗教学会第76回学術大会は、去る9月15日(金)~17日(日)の3日間にわたり東京大学本郷キャンパスにて開催されました。非会員128名を含む686名の方にご参加いただきました。大会三日目は台風の影響であいにくの雨となりましたが、大きな事故もなく大会を終了することができました。ご参加いただきました会員の皆様のご協力に心より感謝申し上げます。

本大会では、使い勝手の必ずしもよくない歴史的建造物を会場に、東京大学そのものを対象化するといったコンセプトで開かせていただきました。会員諸賢の今後のご研究になんらか生かしていただければ幸いです。ご不便、ご面倒をおかけするところも多々あったかと存じますが、ご海容のほどお願い申し上げます。

また、大会の準備、運営にかんしましては、前年度開催校早稲田大学の諸先生はじめ、さまざまな先生に本年の早い段階から多大なお力添えをいただきました。あらためて御礼申し上げます。

第76回学術大会実行委員会

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【4】学会賞
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渡辺優氏(天理大学講師)『ジャン=ジョゼフ・スュラン―― 一七世紀フランス神秘主義の光芒』(慶應義塾大学出版会、2016年10月刊)が2017年度日本宗教学会賞に選ばれました。

詳しい報告は下記をご覧下さい。
>> https://jpars.org/prize/award/award2017 <<

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【5】国際委員会からのお知らせ
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?事務局長の交代について
去る6月にAfe Adogame先生がIAHRの事務局長(Secretary General)を辞任され、その後任に藤原聖子先生(日本宗教学会理事・IAHR執行委員)が7月の執行委員会にて選ばれました。

?IAHRのe-Bulletin Supplementが発行されました。下記URLよりご覧くさい。

>> http://www.iahr.dk/bulletins/IAHR_E-Bull_Suppl_%20Aug_2017.pdf <<

?2020年IAHR World Congressの開催予定について
2020年IAHR World Congressは8月20日-30日(詳細未定)にニュージーランド・ダニーデン市のオタゴ大学にて開催の予定。

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【6】日本宗教研究諸学会連合共催、日本学術会議哲学委員会主催公開シンポジウム
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公開シンポジウム「恐怖を哲学する―フィアー・ホラー・テラー―

主催:日本学術会議哲学委員会
共催:日本哲学系諸学会連合、日本宗教研究諸学会連合
日時:平成29年12月9日(土)13:30~17:00
場所:日本学術会議講堂

司会:岡田真美子(日本学術会議第一部会員、中村元記念館東洋思想文化研究所研究員)

報告: 三嶋輝夫(元青山学院大学教授)
佐藤弘夫(日本学術会議連携会員、東北大学大学院文学研究科教授)
石田美紀(日本学術会議連携会員、新潟大学人文学部准教授)
藤原聖子(日本学術会議第一部会員、東京大学大学院人文社会系研究科教授)
ディスカッサント:戸田山和久(日本学術会議第一部会員、名古屋大学大学院情報科学研究科教授)

※詳細は日本宗教研究諸学会連合のHPをご覧ください

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【7】日本学術会議:提言「東日本大震災に関する学術調査・研究活動」の公表
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このたび提言「東日本大震災に関する学術調査・研究活動―成果・課題・提案―」が公表されました。

>> http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-23-t251-5.html <<

これは、東日本大震災に関する文理全分野の学術調査の全容を把握するため2016年に実施されたアンケートの結果をもとに集成されたものです。

提言を作成した検討委員会には、日本宗教学会からは岡田真水理事(学術会議・哲学委員会副委員長)が委員として入られ、会員の方々の研究活動をとりまとめられました。

特筆すべきは、「また、従来、政教分離原則等から敬遠されていた宗教者・宗教団体についても、布教・勧誘を目的とせす゛に行われた災害支援活動が注目され、本震災後はじめて地方自治体との災害時協力のための協定が結ばれたケースが報告されている。今後の大規模災害時において、現場での混乱を避ける方策も立てつつ、国・自治体等と宗教者・宗教団体との適切な連携・協力のあり方は、検討が必要な重要な課題である。」(p.18)という箇所です。

全研究が一覧表の形で掲載されている参考資料集も圧巻です。ぜひご一読・ご活用ください。

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【8】著作・報告書紹介
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著者  :正田倫顕
書名  :『ゴッホと〈聖なるもの〉』
出版社 :新教出版社
出版年月:2017年5月
内容  :ゴッホの作品を詳細に分析。ゴッホ芸術の本質を抉り、そこに内在する深い宗教性に迫る。

編者  :Kawahashi, Noriko, and Kobayashi Naoko
書名  :JJRS Volume 44:1 (2017)
出版社 :Nanzan Institute for Religion and Culture
出版年月:2017年
内容  :Gendering Religious Practices in Japan

著者  :INOUE Nobutaka
書名  :Japanese New Religions in the Age of Mass Media
発行  :國學院大學
発行年月:2017年
内容  :『新宗教の解読』を英訳し、新しい情報を加えたものです。下記のサイトからダウンロードできます。
https://www.kokugakuin.ac.jp/assets/uploads/2017/06/JapaneseNewReligions.pdf

編者  :Satoshi Kikuchi(菊地智)(Patrick Cooperとの共編)
書名  :Commitments to Medieval Mysticism within Contemporary Contexts(シリーズ名:Bibliotheca Ephemeridum Theologicarum Lovaniensium 290)
出版社 :Peeters
発行年月:2017年5月
内容  :キリスト教中世神秘思想を現代に研究することの意味について、神学、哲学、文学研究等様々な視点から考察する十八篇からなる論文集

著者  :中西恭子
書名  :『ユリアヌスの信仰世界――万華鏡のなかの哲人皇帝』
出版社 :慶應義塾大学出版会
出版年月:2016年10月
内容  :紀元後四世紀のローマ皇帝ユリアヌスの見た同時代の宗教とその内なる信仰世界を分析。受容史への展望も。

著者  :キャサリン・ベル
訳者  :木村敏明・早川敦訳
書名  :『儀礼学概論』
出版社 :仏教出版・
出版年月:2017年9月
内容  :Catherine Bell, Ritual: Perspectives and Dimensionsの日本語訳。

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*詳しくは学会ホームページ「著作・報告書紹介」をご覧ください(随時更新)。
>> https://jpars.org/member/publication <<

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【9】研究会情報
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■東洋大学国際哲学研究センター主催シンポジウム
「聖典はどのように伝えられたのか―宗教の言葉と思想を考える」
2017年10月21日(土)13時00分~16時30分
東洋大学白山キャンパス6館4階6405教室

■明治神宮国際神道文化研究所 公開学術シンポジウム
「帝国日本のスポーツと明治神宮-幻の東京オリンピック前後―」
2017年10月21日(土)13:30~17:30
明治神宮社務所講堂(渋谷区代々木神園町1-1)

■東京国際大学国際交流研究所 2017年度第2回公開講演会
「唯識思想について――大乗仏教と現代」
2017年10月21日(土)14:00~16:30(開場13:30)
東京国際大学 高田馬場サテライト4階

■同志社大学一神教学際研究センター主催 第12回セミナー
「教義の壁を超える:仏教徒とムスリムの相互理解における「並列主義」」
2017年10月27日(金)15:00~16:30
同志社大学 今出川キャンパス 至誠館3階 S34教室

■シンポジウム「上方で考える葬儀と墓:近現代を中心に」
2017年11月12日(日)13:30~17:00
浄土宗應典院(大阪市天王寺区下寺町1-1-27)

■同志社大学一神教学際研究センター主催 第13回セミナー
「「現代の過激派グループと世界分割:イスラームからの視点」
2017年11月16日(木)15:00~16:30
同志社大学 今出川キャンパス 至誠館3階 S33教室

■日本秘教研究ネットワーク主催 ワークショップ
「文献と経験:秘教思想の領域を探る」
Text and experience: Exploring the realm of esotericism
(日本秘教研究ネットワーク第1回研究会)
2017年11月19日(日)10:00~17:00
京都大学人文科学研究所セミナー室1

■日本山岳修験学会・日本宗教民俗学会 第1回合同例会
2017年11月25日(土)13時00分~17時30分
二松學舍大学 九段キャンパス4館 4061教室

■神智学研究会、鈴木大拙研究会主催ワークショップ
「アジア・仏教・神智学」
Workshop “Asia, Buddhism and Theosophy”
2017年12月9日(土)・12月10日(日)
龍谷大学大宮学舎西黌2階大会議室(初日)
京都大学 人文研 第1セミナー室(二日目)

■日本学術会議哲学委員会主催、日本哲学系諸学会連合、日本宗教研究諸学会連合共催
公開シンポジウム「恐怖を哲学する―フィアー・ホラー・テラー―
平成29年12月9日(土)13:30~17:00
日本学術会議講堂

■2017年度 東洋英和女学院大学死生学研究所 公開講座
「生と死の物語」第7回・第8回連続講座
2018年1月13日(土)14:40~〔受付開始14:10〕
東洋英和女学院大学大学院(六本木)201教室

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*詳しくは学会ホームページ「研究会情報」をご覧ください(随時更新)。
>> https://jpars.org/domestic4 <<

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【10】メールマガジン掲載案内
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メールマガジンの発行は理事会・各種委員会が開催される4月・7月・9月の月末と1月末を予定しています。

掲載内容は(a)理事会・各種委員会の速報(詳細は『宗教研究』の会報欄を参照)と(b)発行時に案内できる研究会、著作・報告書紹介、教員募集、賞・助成公募などで、(b)については、学会公式ホームページへのリンクとともに必要に応じて関連リンクを示します。

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